病気の中には飼い主様次第で予防することのできる病気もあります。ペットの病気の予防、健康管理をしてあげられるのは飼い主様自身です。ペットがいつまでも健康でいられるようしっかり予防してあげましょう。
ノミやマダニが寄生した事により動物たちは痒みや貧血などの症状を呈しますが、それよりも怖いのが病原体を運んできてしまい他の感染症の原因になることです。
この感染症の中には人間にも感染するものがあります。
最近では家庭内で飼うことが多くなってきた動物たちですが、動物たちだけでなく飼い主様の健康を守るためにも是非予防は行ってください。
このライフサイクルは室温が13℃もあれば成立するため、日本の家では一年中繁殖が可能ということになります。
また、ノミの成虫は全体の5%と言われています。仮に5匹のノミを見つけた場合、95匹の予備軍(卵・幼虫・さなぎ)が潜んでいるということになります。
動きまわる成虫が見つかることもありますが、ブラッシングしている時、被毛の中に黒いゴマの粉のようなものを見つけたら湿らせたティッシュの上に置いてみてください。粒が溶けて赤茶色になったらそれは血を吸ったノミの糞です!ノミが体のどこかに潜んでいる証拠となります。
ひどい痒み
ノミアレルギ-性皮膚炎。
最近では、アトピー性皮膚炎の動物がノミに刺されると、その症状が悪化するとの
報告もされています。
下痢や嘔吐
瓜実条虫のいるノミをグルーミングなどで食べてしまうことにより動物も感染します。
貧血
大量寄生による(特に子犬・子猫・老齢な動物は危険性があります)
etc.
マダニの発生には気温や湿度など多くの要因が複合して関与しています。
そして、どのような気候・場所にも適応して動物たちに寄生する機会を待っています。
いったん動物たちに付着したマダニは、強力な爪でしっかりと取り付き、体の上を移動し頭や耳などの比較的毛の薄い部分を刺します。
散歩から帰ったら体(特に頭・背中・足など)をチェックしてあげてください。 |
犬バベシア症
マダニからバベシア原虫が赤血球に寄生し、破壊。
重度の貧血を起こします。
急性の場合には死に至ることもあり、完治の難しい恐ろしい病気です。
ライム病
主に神経症状・発熱・食欲不振などの症状がでます。
この病気は人間にも感染します。
猫ヘモバルトネラ症
猫の赤血球表面に寄生するヘモバルトネラというリケッチア(細菌) が原因となり、
貧血、発熱、元気消失などの症状がみられます。
咬傷のほか、マダニが媒介する感染症です。
皮膚炎
湿疹・炎症性肉芽腫
etc.
ノミ、マダニとも背中にたらすスポットタイプの外用薬を使用します。
毎月1回の定期投与によってしっかり防除できます。
大切な家族が痒み、病気で苦しまないようにしっかり予防してあげましょう。
フィラリアを持った蚊に刺される事により、感染する恐ろしい病気です。
昔はこのフィラリア症により命を落とすことがよくありましたが、予防法が確立されたことによりその数はだいぶ減少しました。
しかし、まだまだ感染している犬が存在しているだけに予防はしっかりとすることをお勧めします。
別名、犬糸状虫とも言われますが糸状の寄生虫が心臓や肺に寄生し、徐々に血液の循環などに悪影響を及ぼします。
後に、体中の臓器に障害が生じ、放置すると死に至る事もあります。
早期の段階では症状が出ないことが多く、進行した場合
・咳をする
・元気がない
・食欲がない
・お腹が膨らんできた
などの症状が多く見られます。
また、急性で、悪化するタイプも存在します。
血尿(血色素尿)を出して死亡するケースもあります。
犬の年齢や寄生した時期と虫体の数にもよりますが、治療にはかなりの危険を伴います。
虫体があまりにも多い場合には外科的に寄生虫を摘出します。
寄生数が少ない場合は内科的治療(内服薬)となりますが、長期の投薬となります。
駆虫がうまくいっても心臓や肺の損傷は残るため、生涯治療が必要となる場合もあります。
犬フィラリア症は、きちんと投薬すれば予防できる病気です。投薬は毎月1回となります。
投薬期間(当院では4月下旬~12月をおすすめします)はしっかりと投薬してください。
この予防薬は、蚊の吸血により犬の体内に侵入したフィラリアの幼虫が大きくなる前にまとめて駆除する薬なので、必ず毎月1回飲ませてください。
蚊がいなくなった翌月に行う最後の投薬が重要となります。忘れずに投薬してください!
現在では錠剤やチュアブル(お肉などの味がついたもの)などの内服タイプと、背中にたらす外用タイプがあります。
フィラリアの予防効果はどれも変わりませんが、お腹の寄生虫なども一緒に予防できるものもありますので、詳しくは当院スタッフまでご相談ください。
猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症(以下略してFIV)は、感染末期にはエイズ症状となるため猫エイズとも呼ばれます。一般的に年齢とともに増加し、3歳以上で外出可能な雄猫に特に多くみられる恐ろしい伝染病です。
FIVは、ウイルスが主に血液や唾液に含まれ、FIV陽性猫とのケンカで噛まれたりするとうつります。感染の危険度は、猫の年齢や生活様式によって異なりますが、特に雄猫はケンカによりFIVに感染します。FIVは人間にはうつらず猫属にしか感染しません。
FIVに感染すると、はじめは一見健康そうに見えますが、次第に元気がなくなっていきます。免疫力が低下するので、あらゆる感染症に抵抗できない状態になり、口内炎、胃腸炎、鼻炎などがなかなか治らず、感染末期には人間のエイズのような症状が現れ、最後は死亡してしまいます。
現時点では、FIV感染症の特別な治療法はなく、これに感染したことがわかった場合には、発症を遅らせるための管理や、症状に応じた治療をしていくことになります。
感染リスクがある猫にはワクチンを接種し、陽性猫との接触を避けるようにします。
猫白血病ウイルス(FeLV)感染症(以下略してFeLV)は、一般に若い猫に発症することが多く、猫の主な死亡原因の1つである恐ろしい伝染病です。ただし感染した猫が全て発症するわけではありません。
FeLVは血液、唾液、涙そして糞尿などに含まれ、感染経路が多く、うつりやすい伝染病です。猫同士が同じ食器を使って食事をしたり、お互いを舐め合うグルーミングやじゃれあうなど、FeLV陽性猫との長時間に及ぶ密接な接触によってうつります。感染の危険度は、猫の年齢や生活様式によって異なりますが、感染猫との同居あるいは外でのケンカ感染します。FeLVは人間にはうつらず猫属にしか感染しません。
FeLVに感染すると、はじめは一見健康そうに見えますが、次第に元気がなくなっていきます。免疫力が低下するので、あらゆる感染症に抵抗できない状態になり、口内炎、胃腸炎、鼻炎などがなかなか治らず、またリンパ腫や白血病など致命的な病気を伴い最後は死亡してしまいます。
現時点では、FeLV感染症の特別な治療法はなく、これに感染したことがわかった場合には、発症を遅らせるための管理や、症状に応じた治療をしていくことになります。
感染リスクがある猫にはワクチンを接種し、陽性猫との接触を避けるようにします。
母親からの免疫(移行抗体)がなくなる8週齢頃から接種を開始します。
当院では犬は1ヶ月ごとに3回、猫は2回の接種を推奨しています。その後は1年に1回の追加接種となります。
・ジステンパーウイルス
・アデノウイルスⅠ型感染症(犬伝染性肝炎)
・アデノウイルスⅡ型(犬伝染性喉頭気管炎)
・パラインフルエンザ感染症
・パルボウイルス感染症
・コロナウイルス感染症
上記の6種混合ワクチンに、レプトスピラ感染症3種類(コペンハーゲニー・カニコーラ・ヘブドマディス型)を加えたものです。
犬種や年齢、飼育環境によって適したワクチンが異なります。
詳しくは当院スタッフにご相談ください。
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症
上記の3種混合ワクチンに、猫白血病ウイルス感染症、クラミジア感染症を加えたものです。
猫種や年齢、飼育環境によって適したワクチンが異なります。
詳しくは当院スタッフにご相談ください。